“技術”と“伝える力”が大幅アップ!? ウワサの「Tableau DATA Saber」に挑戦してみた!

会議中にデスクを囲む人たち

皆さんはじめまして。私は、株式会社ソニー・ミュージックソリューションズ デジタルプロデュース本部 データストラテジーオフィス所属のうめと申します。主な業務は、弊社の運営する各種ファンクラブサイトやECサイト、デジタルサービスの顧客分析で、そのほかにも、データ基盤やTableauなどのBIツール、Marketing Cloudの構築進行および定着支援なども行っています。

今回は、そんな私がこの夏に取得した「Tableau DATA Saber(以下、DATA Saber)」の資格について紹介させていただきます。日々の業務でTableauを使っているが、本当の意味で「使いこなしている」か自信がない、もっと使いこなしていきたいという人にぜひ読んでいただければと思います。

Tableau DATA Saberとは? なるためにはどうすればいい?

公式サイトの言葉をそのまま引用させていただくと、DATA Saberとは、

データに溺れかけている世界を

その剣で守り導く救世主

 

データを通して世界を理解し、それを人に正しく伝える努力を怠らず、

人の心を動かし、行動を促す。これがDATA Saberである。

なのだそうです。なんだかちょっと大げさにも感じますが、私はこれを『データにまつわる包括的な知識と技術力、ならびにデータドリブン文化を広める力の双方を高いレベルで兼ね備えた人』と理解しました。ポイントは「知識と技術力」だけでなく「広める力」も求められていること。自分だけでなく、仲間も巻き込み導くことで、組織、チームとしての生産性向上を実現していくのがDATA Saberなのです。

DATA Saberの資格を取得するには約3ヶ月の間で所定のカリキュラムをこなす必要があります。今回私はソニー社内で「DATA Saber Boot Camp(以下、Boot Camp)」に参加し、DATA Saberの認定を取得しました。

ちなみに2024年12月9日現在、日本国内では2,488名のDATA Saberが活躍中で、ソニー社内には25名のDATA Saberが在籍しています。私もその一人で、2024年5~8月に行われたBoot Campでの学びを経て、DATA Saberを名乗れるようになりました(ソニー・ミュージックソリューションズでは私ともうひとりが初取得)。

Boot Campとは?

さて、そのBoot Campですが、これはオンラインで開催されるスキル向上プログラムのこと。私の参加した回では、13名の「挑戦者(Apprentice)」に対し、2名の「師匠(DATA Saber)」がつき、「技術力に関する10の試練」や「コミュニティ活動」などを通して、DATA Saberとしての知識と意識を身に着けていきました。

「技術力に関する10の試練」とは、サンプルデータの分析など、与えられた10つの課題(試練)をTableauで解決していくというもの。この取り組みを通じ、挑戦者は網羅的にTableauの操作を身につけていくことができます。当時の私はTableau歴2、3年?程度で「Tableau Desktop Specialist」の資格も取得しているなど、それなりに使いこなせている自信はあったのですが、実際にやってみるとなかなか難しかったです。最初の方はサクサク解けていたのですが、後半はかなり難易度が高く、何度も解説動画などを見直したり、師匠に助けていただいたりせねばなりませんでした。

なお、課題の中には単純に技術レベルを問うものだけでなく、「データドリブンな組織になるためには」「データ分析者としてのありかた」などを問うもの(その名も「ZEN問答」)もあり、技術だけでなく、考え方も身についたと感じています。

<10の試練の一例>

”10の試練の中で作成したダッシュボード”

10の試練で作成した地域・カテゴリ別売上のダッシュボード

一方、「コミュニティ活動」では、Boot Campでの学びや、データドリブン文化を広めていく活動を通し、導くための力を身につけることを目的としています。活動はさまざまなものから選択することができ(以下参照)、3か月の間に、パブリック・組織内でそれぞれ20pt以上、合計50ptに達していればクリアとなります。

■パブリック活動

Tableau PublicへのViz投稿 10pt / 4週間以内に3回投稿
Tableau Community Forumsでの質問回答 10pt / 4週間以内に3回投稿
Tableau関連のブログ記事の投稿 10pt / 4週間以内に3回投稿
Tableauユーザー会の開催 10pt / 1回
Tableau関連の講演 10pt / 1回

■組織内活動

イベント開催 10pt / 1回
Doctor開催 5pt / 1回
オンラインコミュニティ運営 10pt / 1種類
Viz共有 10pt / 4週間以内に3つ
情報共有 10pt / 4週間以内に3回
分析案件実施 30pt / 1回

私の場合、チャレンジ期間中にちょうど「Salesforce World Tour Tokyo2024」に登壇する機会があったので、パブリックの「Tableau関連の講演」で10pt獲得できました。そのほか、パブリックの「Tableau PublicへのViz投稿」でさらに10pt、組織内「イベント開催(勉強会の開催)」「Doctor開催」で合計30pt獲得し、無事50ptを獲得することができました。

歴代映画興収TOP100 ダッシュボード

Tableau PublicへのViz投稿課題で作成した歴代映画興収TOP100 ダッシュボード

実際に作成したダッシュボードはこちらで確認できます。

歴代映画興収TOP100

2024年1月期ドラマ視聴率TOP10

PRODUCE 101 JAPAN GIRLS ランキング推移

Boot Campに参加して感じたのは、周囲のメンバーの熱量の高さ。オンラインということで、基本はモニター越しのやり取りになるのですが、ディスカッションでは皆さん、積極的に発言するなど、とても刺激的な体験でした。また、なかなか他グループの方々と関わる機会がないので、そのお話を聞けること自体が新鮮でしたね。全く違う業種の人でも、データドリブンに関する根っこの悩みが一緒だったりしたのが面白く印象に残っています。

そして、Boot Campの最後には総決算となる最終試練&口頭試験があり、これに合格することで晴れてDATA Saberに。その具体的な内容はお話しできないのですが、なんとかこれをクリアでき、無事、DATA Saberになることができました。通常業務と並行しながらの3か月間はとてもハードで、土日も勉強漬けのまるで受験生のような日々(特に後半は、平日2~3時間、土日5~6時間は費やしています)を過ごしたので、合格したときは本当にうれしかったですね。

DATA Saberになって、何が変わった?

まず、Tableauの技術がかなり身につきました。先ほどもお話ししたよう、自分としてはそれなりにTableauを使えると思っていたのですが、Boot Camp参加後は、体感2倍は使いこなせるようになったと実感しています。通常業務をこなすスピードが明確に上がりました。

また、コミュニティ活動での学びを通し、“人に伝える”ことに自信が持てるようになりました。3か月間集中してTableauを教えたり、イベントに登壇したりしたことで、自然と伝え方もうまくなった……のかも?

一方、まだデータドリブンやTableauについての理解が進んでいないとも感じているので、今後はデータ活用に関する意識や文化を拡げて行く活動をしながら、DATA Saberは頼もしいと思ってもらえるように活躍していければなと思っています。

ぜひ、皆さんもDATA Saberに挑戦してみてください!

社内の方にお声がけいただき、軽い気持ちで挑戦したDATA Saberですが(まさかこんなに大変だとは思ってもいませんでした……)、今ではやって本当に良かったと思っています。この記事を読んで興味を持たれた方には、ぜひチャレンジしていただきたいですね。試練を超えた先には、Tableauの技術向上だけでなく、自信をもってデータドリブンを語れる自分になっているはず。暗記中心の試験とは違い、自分の技術が向上し、身になっていると実感できる内容ですので、実際に現場で役立つスキルを身につけたいと考えている方に特におすすめです。

大変だけど、挑戦すべき! いまではそう確信しています。特にエンタメ業界で活躍するDATA Saberが増えるといいなって思っています。皆さんの挑戦をお待ちしております。