アウトソースと内製の両輪の第一歩、開発内製チームの立ち上げ

PC画面の前で相談しているエンジニア2人

みなさまこんにちは。ひさびさ投稿のいっくんです。

私の所属する部門では、100を超える業務アプリケーションの企画・運用保守をしています。アウトソースが進み、初期開発から日々の運用保守までの多くをビジネスパートナーに業務委託しているのですが、中には歴代の社員が自ら開発したアプリケーションも存在します。なんと20年以上の歴史を誇るものもあり、そんな歴史あるアプリケーションへの愛を熱く語る先輩社員もいるほどです(笑)。

その一方で、ローコード開発ツールの普及と共に内製化に向けた取り組みが行われた時期もありました。現在では、主にAWS関連の一部業務を内製化しています。今回は、そんな内製化にまつわるエピソードをご紹介します。

予算を削れ!

この数年、IT人材の不足やそれに伴うエンジニア単価の高騰が叫ばれて久しいですが、当社においても例外ではありません。私が担当している「グループウェア刷新プロジェクト」では、多種多様な300近いグループウェアアプリケーションをMicrosoft 365へマイグレーションすることになりました(ここまでの道のりもどこかで投稿しますね)。下調査を経てビジネスパートナーのA社へ費用算出を依頼したところ、数週間後に出てきた見積を見てビックリ! 見なかったことにしようと、そっとファイルを閉じました……。

もちろん、現実は変わりません。まずは、いかにして費用を削るかを考えました。A社の担当者に詳細を確認して削れるところを削り、有識者に意見を求めて適正化を図り、当然ですがやれることはやりました。でも、まだまだ目標には届きません。これは抜本的な対策が必要です。

これは「内製化」へのチャンスだ

私の所属する部門では、数年前より将来的なIT人材の減少やシステム開発や運用に必要なIT技術スキルの伸び悩みといった課題解決に取り組んできました。その解決策の1つが、以前投稿した社内勉強会『esprit(エスプリ)』です。また、アウトソースが進んだ業務領域の再定義を行うと共に、システム数が今よりもずっと少なかった時代の「内製化」への回帰も視野に入れて、さまざまな検討を進めてきました。なかなか開発の内製化へシフトできない状況が続いた中、今回上司を交えて何度か議論を交わしてたどり着いた答えは、マイグレーションの「内製化」でした!

開発のスピードアップや柔軟性のあるチーム作りに取り組みたいと考えていた私は、以前から内製化に着目していました。これは、私にとって大きなチャンスです。さっそく、Microsoft 365を活用したプロジェクトでお世話になったビジネスパートナーのB社へ話を持ち掛けることにしました。幸い、多くのプロジェクトにて経験や実績のあるメンバーをアサインしていただける運びとなり、あとはこちらもメンツを揃えるのみ。って、どこに手の空いているメンバーがいるのでしょうか……。

「採用してイチから育てましょう!」

頭で考えるよりも先に、口から出ていた気がします。採用活動を開始し、その中から2名を採用することにしました。プログラムはもとより、システム開発の経験自体がほとんどない2名でしたが、ポテンシャルと吸収力、そして技術を学びたいというひたむきな強い思いに期待して、チームに加わってもらうことができました。先にジョインしてくれたビジネスパートナーB社のスタッフ2名を交えて、ついに内製チームが誕生です! やった!!

やらねばならないことは山ほどある!!

チームが誕生し、人は揃いました。やることは、山ほどあります。ただでさえ、仕事が山積みなのに。それでも、今思い返せばこの時期はとても楽しかった記憶があります。先生役をお願いしたビジネスパートナーのスタッフと共に作った教育カリキュラムに日々奮闘する若手社員の姿たるや、まるで我が子の成長を眺めているような感覚なのです。ああなるほど、たしかに前提知識がないとこういうことってわからないよね……。自分の新入社員の頃を思い出して、さまざまなアプローチで接してみます。毎日夕方に30分間の定例ミーティングをセットして、それが上手く回るようになったころには、私がいなくてもチームとして機能するようになっていました。うれしいやら、悲しいやら。いえ、とても喜ばしいことなのですが。

そうして試行錯誤を繰り返しながら成長した新規参画メンバーがグループウェア刷新プロジェクトにジョイン。マイグレーションだけでなく、他のメンバーによる開発を経てリリースしたアプリケーションの運用保守も担いました。発足から半年後には内製チームが設計製造したアプリケーションの第1弾が無事にリリースの時を迎え、今では社内から寄せられる相談事などにも応えられるようになっています。

「内製化」は次のステップへ

内製チーム誕生から、まもなく1年を迎えようとしています。紆余曲折いろいろありましたが、たしかな成長を実感できているのは喜ばしいことです。一方で、まだまだ技術力には多くの課題があります。たとえば、Microsoft Power Appsをメインに据えた高度なプログラミング知識を要する開発は、まだまだビジネスパートナーのスタッフの指導なしには成立しません。ある程度は経験値がモノを言う世界ですので、メンバーの技術力や経験値を引き上げつつ、失敗を恐れずチャレンジしていくことで、チーム全体の技術力を高めていきたいと考えています。

また、今はメンバー2名+ビジネスパートナースタッフ2名の4名体制で運営していますが、社内では内製に対する需要と期待が高まっています。どうやってチームを拡大し、効率的なシステム開発と運用保守体制を整えていくかは、今後に向けた大きなテーマです。今はMicrosoft 365に限定していますが、他のツールなどにも触手を広げていきたいと思います。

また次の記事でお会いしましょう。それではまた!