ソニー・ミュージックエンタテインメントでクラウドエンジニアを務めている二十五時です。よろしくお願いします。 今回は、昨年に引き続きAWSが年に一度主催するAWS最大のカンファレンスイベント「AWS re:Invent(AWS re:Invent 2023)」への参加レポートをお送りします。
昨年の記事でもお伝えしましたが、私たちは2011年ごろからAWSを利用し始め、現在はほぼ全てのシステム開発をAWS上で行っています。また、過去にはAWS Summit Tokyoやre:Inventでの登壇のほか、各種イベントなどへの参加も積極的に行っており、AWS re:Invent 2023の参加者は昨年よりも増えて20名に増加しています。
そして今回、私がいる部門では主にコスト削減を目指して旅行代理店の提供するジャパンツアーではなく、自分たちで航空券の手配やホテル手配を行う形で参加しました(昨年はジャパンツアーを利用)。そこでこの記事では来年以降に参加される方に向けて、ジャパンツアーとの違いをお話しできればと思います。実際にコスト削減できたかどうか、ぜひ最後までお読みいただければ。
※例のごとく、キーノートやセッション、発表されたアップデートの詳細については他の方々のブログなどにお任せします。笑
- re:Inventに向けた準備 -その1-
- re:Inventに向けた準備 -その2-
- re:Inventに向けた準備 -その3-
- ジャパンツアーと個人手配のどちらが良いのか。
- 結論
- おまけ:re:Inventのショートレポート
re:Inventに向けた準備 -その1-
さて、ここからはツアーに頼らず、独力でイベント参加に挑戦したことで分かったことを紹介します。まずは渡米に関する手続きと宿泊施設の手配について。
re:Inventのアカウント登録
アカウント登録、フルカンファレンスパスの支払いが事前に必要になります。 ここは参加者各自で支払いを行いました。
ホテル、航空券の手配
ホテルと航空券の手配を始めたのは、6月下旬から。この時点ではジャパンツアーの詳細がわからない状態で、申し込みも始まる前からホテルの手配を始めました。
宿泊候補のホテルはThe Mirage、航空会社はJALにてロサンゼルス国際空港での乗り換えのルートで手配を開始。どちらも希望通りのホテルと、航空券の手配は無事完了しました。
The Mirageを希望した理由は、メイン会場のThe Venetian Resort Las Vegasと近いため。キーノートも含めて朝早くから並ぶことや、朝食の時間も考えて、なるべく近い会場を選択しました。
おそらくですが、ジャパンツアーの日程が出た以降だと、The Mirageが取れない可能性が高かったのではないかと思うので、ホテルの手配はとにかく早めに行う必要があるかなと思います。
航空券については会社での手配ですが、ホテルに関しては手配時点でデポジット費用の支払いありなので注意しましょう。
パスポート、ESTAの手配
どちらも一般的な方法での手配となります。パスポートに関しては滞在中に期限が90日未満になる場合は再発行が必要になる点に注意が必要です。
re:Inventに向けた準備 -その2-
続いて、イベント周りの手配について。キーノートなど、絶対に参加したいセッションがある場合は、早め早めに動いておくことが肝要です。
カンファレンスパス用の顔写真登録
re:Inventのポータルサイトから登録が必要です。 事前登録がおすすめですが、現地でもその場で撮影はしてもらえます。
セッション登録
勉強したいサービスや、目的のサービス・セッションがある場合は、早めにセッション登録しておかないと、目当てのセッションに参加できない可能性があります。特に人気のものはあっと言う間に満席になってしまいますので注意しましょう。
ただ、今回の参加メンバーの中には当日までセッションを一切予約せずにいったメンバーもいましたが、わりと入れるセッションも多かったほか、入れなければ近場のセッションに入るということもできていたようです。
とは言え、個人的にはある程度使っているサービスや興味があるサービスのセッションへの参加がおすすめですので、事前に予約しておくのが良いと思います。
また、同じ部門や会社から複数人がre:Inventに参加する場合、お互いに予約したセッションを共有しておくと、重複があった場合に、別のセッションを選び直すなどして効率的に色々なセッションに参加ということもできるかと思います。
re:Inventに向けた準備 -その3-
ここでは現地であると便利な(あるいは必須の)準備についてまとめてみました。
AWS Eventアプリ
現地でセッションのスケジュール管理や、各種通知はアプリが便利です。 シャトルバスの情報や、Expo会場のマップ、朝食・昼食の情報もアプリ内で確認できます。
現地でのホテル支払い準備
今回ツアーではないためホテル費用は現地での支払いでした。約30万円(部屋にある水などを飲んだ場合はその費用も)を支払う準備が必要になります。
クレジットカード
現地での支払いはほぼクレジットカードを使います。VisaやMasterのカードを準備しましょう。 上述のホテルの支払いでも使用しますので、限度額の確認を忘れずに。 またクレジットカードに付帯した旅行保険や、プライオリティパスなどがあれば事前に確認をしておきましょう。
現金(ドル紙幣)
チップで使う場合がある他、カジノを楽しみたい場合は現金が必要です。 最近は、部屋の清掃でも通常の清掃の場合にはチップは不要らしいです(置きたい方はベッドサイドに1〜2ドル/日 置くといいかと思います)。
現地でのネットワーク確保
re:Invent会場では参加者向けのWi-Fiが飛んでいます。 別途、通信環境が必要な場合は、各自で手配しました。 私の場合は、T-Mobileの7日間使い放題を事前に購入して使用しました。個人的には、国内用の回線をeSIMにしておくと、海外出張時に現地のSIMを購入して使えるので便利です。
ジャパンツアーと個人手配のどちらが良いのか。
ジャパンツアーで良かったこと
- サポートが手篤い
- 空港〜ホテル間の移動バスが楽ちん。
- 現地でのサポート(re:Invent会場内にサポートデスクがある)が受けられる。
- ほかのジャパンツアー参加者と交流できる
- re:Invent参加者同士でのネットワーキングの時間(ジャパンナイト)があります。
- 普段話せない方ともお話しできる機会にもなるため、非常に有益な時間です。
- 基本的な費用が全てツアー費用に含まれている
- 個人手配の場合、一時的な立て替えなども含んで結構な金額をそのつど、自分で払う必要があります。
- ジャパンツアーの場合、基本的には全てツアー費用に含まれているので安心です。
ジャパンツアーで困ったこと
- 滞在期間をあまり自由に設定できない
個人手配で良かったこと
- 滞在期間を自由に設定できる
個人手配で困ったこと
- 費用面で少なからずリスクがある
- ジャパンツアー費用との比較が難しい可能性が高い(今回は手配時点で不明だったため前年の費用を参考に個人手配を行ないました)。
- 上記の通り、比較が難しいため、個人手配次第では高くつく可能性もあり。
- カンファレンスパス、ホテルの宿泊費、空港からの移動費などの立て替えがあった。
- 空港と会場の移動手段を自分を手配しなければならない
- どちらもUberで移動。
- 空港からホテルへの移動時は、かなり混雑していました。
- 帰国時のホテルから空港への移動は早朝になるので、事前に予約して手配。
- しっかりと事前準備しておく必要がある
- 仕方のないことですが、初参加の人のフォローにそれなりの時間を取られました。
- もちろんそれ以外の各種手配や、手配のフォローも大変です。
結論
『経験者がいるのであれば、個人手配もあり』というのが、今回の結論です。特に滞在期間を自由に設定できることは、ジャパンツアーにはない大きなメリットと言えるでしょう。業務の都合などでジャパンツアーのスケジュールがどうしても合わないという人は試してみる価値があると思いました。
ただし、経験者への負担はそれなりにあります。実際、現地に到着してカンファレンスパスを受け取った段階で、やり切った感じになってしまい、初日のセッションなどでは、どこか気が抜けた感じなってしまったのは今回の反省点のひとつです。初参加の人たちも積極的な情報収集をすることで負担は減らせることができるので、参加者で力を合わせることが大事です。今回、私を含めてもう1名経験者がおり、事前に説明会なども行うなどしていましたが、そうした事前準備をもっとしっかりやっておくと良いかも知れません。
そして先にも述べたよう、個人参加の場合はジャパンナイトに参加ができないのがもったいないなと思います(今年は一般参加申し込みもありましたが、一瞬でいっぱいになっていました)。
逆に『初参加者だけであれば、ジャパンツアー優先での選択をおすすめ』します。 海外旅行、海外出張に不安があるという方は、ジャパンツアーを利用するほうが、サポートも充実しており安心です。 またサポート面以外でもが、ジャパンナイトでAWSという同一のプラットフォームを使っている同士で情報交換ができる機会は貴重ですし、日本語だけでリラックスできる時間はよりre:Inventを充実させてくれるかと思います
ちなみに費用面では最終的にほぼ同額だったようです。 移動費用や、ジャパンナイトでのディナー費用なども含めるほか、心理的な負担なども鑑みると、あまり大差はないのかなという印象でした。 ただし、会社によりルールなどもあるかと思います。その場合には、re:Inventに参加できることを第一優先に選択されるのが何よりおすすめです。
このブログを見られている方は、ぜひ来年のre:Inventに参加いただいて、現地でお会いしましょう!
おまけ:re:Inventのショートレポート
最後にイベントの内容について個人的な感想を簡単にお伝えします。
- Dr. Werner Vogels (CTO)のキーノートではコストの話が中心に。 このキーノートでコストを中心とした内容があると思っていなかったので衝撃でした。
さらには、THE FRUGAL ARCHITECT(倹約的なアーキテクト)という形で、「設計、測定、最適化」の3つに分けて語られた内容は、私自身が長年AWSの費用を見る中で感じていた内容を、簡潔にまとめられており、その内容にも感動しました(正直、これを自分がまとめられなかったことが悔しいくらいに、あるある・そうだよなと感じる内容ばかりでした)。
- セッション以外への参加 今回、自分の中でセッション以外でもre:Inventを楽しみたいという目標があったので、セッション以外のことへも挑戦してみました。
1つは、イベントアプリ内にあったGameの項目。サステナビリティナレッジチャレンジと、EXPO内のブースを巡るスタンプラリーです。
サステナビリティのスタンプラリーでは、re:Invent会場の各所にあるQRコードをスキャンしてスタンプを集めることで、景品をもらうことができます。こちらの景品はAWSクレジット$25分と、昨年のre:Play会場のテント生地(英語ではBANNERSなので、おそらくre:Playとか書いてたやつ)を使用した大きなバッグでした。 ※EXPOブースの方は、最後まで終わりませんでしたが、こちらはパーカーがもらえた模様。
もう1つは会場でのBuild and Give Backへの参加。こちらはハンドメイドのブランケットを作るというもので、一枚の布の端にハサミで切り込みを入れて、その部分を結び合わせてブランケットを作ります。こちらは、1枚完成するところまで参加しました。(完成したーと言ったら誰にも気づいて貰えず、近くにいた女性がスタッフを呼んでくれるというプチハプニングも。笑)
どちらも、国内ではあまりない取り組みだったので、楽しみながら学びにもなりました。
なお、昨年のブログでも書いた歩数ですが、日本からラスベガスへ出発し、帰国する7日間合計で15万4,817歩(昨年から+2万8,075歩)、1日平均だと2万2,116歩でした。今回、会場での移動距離も多かったこともあり昨年から大幅に歩数が増えた印象です。