皆様、こんにちは。SMEアナリティクス部2年目のSunnyと申します。
前回の記事では、Notionの基本的なTipsと、部署内で使用するツールを管理するための「テーブルビュー」の活用例をご紹介いたしました。記事の最後で少し触れましたが、今回はその応用編として(前回紹介した活用例①に続く、活用例②として)、日々のタスク管理に焦点を当て、私が実際に作成・運用しているNotionのトップページ(タスク管理画面)についてご紹介いたします!
モチベーション(膨大な案件をNotionで管理)
アナリティクス担当として業務を行う中で、私の大きな課題は「同時にやらねばならない案件が多く、個別の進捗や内容を正確に把握するのが大変」ということでした。 私は部の「案件窓口」として、さまざまなA&Rや関連部署の方からいただいた案件をまとめ、部内メンバーの協力を頂きながら進行させる役割を担っております。 そのため、複数の案件を並行して管理しなければならないだけでなく、各部署とのさまざまな定例会議に毎週出席し、現場のニーズをキャッチアップしたり、部で得られた知見を共有する必要があります。
さらに、毎週・毎日行う定例業務と、都度発生する不定期な分析案件ではタスクの性質が異なります。これらを同じようにリストアップするだけでは、優先順位が分かりにくく、抜け漏れの原因にもなりかねません。
活用例② - 案件・タスク管理ページ
そこで、これらの課題を解決するためにNotionを活用し、添付画像のようなタスク管理画面を作成しました。

このページでは、やるべきことが一目でわかり、かつ手間なくタスクを更新できるよう、Notionの機能を活用して構成しています。ここからは、この管理画面を構成する各要素について、作成手順とポイントを交えつつ解説していきます。
タスク管理ページは、大きく分けて「定期案件+今日やること」と「案件(定期除く)」の2つのセクションで構成されています。それぞれのセクションでNotionの異なる機能を活用しています。
1. 定期案件・日常業務の管理
「ボタン」機能の活用
まず、画面右側にある「定期案件+今日やること」の欄です。ここでは、毎週・毎日発生する定型タスクを管理しています。

このセクションの最大の特徴は、Notionの「ボタン」機能を活用している点です。この機能ではボタンが押されたときの挙動を設定することができ、ここではあらかじめ指定したブロックを表示するようにしています。例えば「Tuesday」ボタンをクリックすると、火曜日に行うべき定例会議の議題確認やタスク提出といった項目が、ToDoリスト形式で自動的に生成されます。

さらにここでは上部に「2weeks Works」というボタンを配置しており、これを押すと2週間分の曜日ボタン(Monday, Tuesday...)が表示されるように設定しています。先ほどのように各曜日のボタンには、それぞれの特有のタスク(例:「〇〇課会(13時)!」)を含むブロックを設定でき、またNotionの各ブロック要素もここに含められるので、ここでは見出しも使って重要事項を分かりやすくしています。このように「ボタン」にあらかじめ定期業務のToDoリストを設定しておくことで、毎回タスクを書き出す手間が省け、抜け漏れを防ぎます。
また、このボタンは押すたびにリストが上に追加されていくため、過去に自分がいつ、どのタスクを完了させたのかを簡単に振り返ることができ、業務ログとしても機能します。
ボタンの設定はとても簡単です(※下記は原稿執筆時点の操作です)。
- まず前回記事のようにショートカットを使用して(「/button」と入力)「ボタン」ブロックを追加し、ボタンの名前・アイコンを適宜設定します。
- その後、「実行」にボタンクリック後に実行される処理を選択します。ここではタスクの書かれたブロックを作成したいので、「ブロックを挿入」を選択します。
- ボタンの下にブロックを作成してほしいので、「ボタンの下」を選択します。
- 後は作成する内容を記述し、「完了」をクリックして完成です。
- 作成するブロック内で見出し・引用・コールアウトなどNotionの各ブロック要素を使用することもできるので、お好みのレイアウトに調整できます。

2. 不定期・個別案件の管理
「ボードビュー」による直感的なタスク管理
次に、画面中央の「案件(定期除く)」の欄です。ここでは、不定期に発生する分析案件などを管理しています。

こちらは「ボードビュー」というレイアウトを使用し、「すぐやる」「最優先」「完了」「アーカイブ」といったステータスごとにタスクを分類しています。これにより、どの案件に今すぐ着手すべきか、どの案件が完了したのかを視覚的に把握できます。
各案件のカードはドラッグ&ドロップで簡単に別のステータス(例:「すぐやる」→「完了」)に移動できるため、進捗の更新が非常にスムーズです。また、それぞれが1つのページになっており, クリックすると案件の詳細なメモや関連資料へのリンクなどを書き込めます。これにより情報があちこちに散らばるのを防ぎ、案件に関するすべてを1か所に集約できます。さらにNotionの機能を活用し、ボードビュー以外のレイアウトで表示させることも可能です。

また 完了したタスクは「アーカイブ」に移動させています。ここでも後から「自分がどのような案件をこなしてきたか」を棚卸しする際に、過去の実績として簡単に参照することができます。
「リレーション」機能の活用
ボードビューの各案件カードには、「プロパティ」を追加することで、さまざまな情報を付与できます。ステータスもプロパティの一種ですが、さらに応用的な使い方として「リレーション」機能を活用したプロパティの設定をご紹介します。
私の所属するアナリティクス部では、作成した分析資料に誤りがないか、別のメンバーがダブルチェックする体制をとっています。そこで、ここでは各案件カードに「チェック担当者」を示すプロパティを追加しました。
ただ、毎回担当者を手で入力するのは手間であり、もし表記ゆれがあると管理が面倒になります。

そこで、ここでは「リレーション」機能を使用しています。これはデータベースどうしを結び付ける機能で、片方のデータベースから、別のデータベースの項目を呼び出すことができます。具体的にはあらかじめ部署のメンバーリストを別のデータベースとして作成しておき、リレーション機能でそのデータベースとタスクのデータベースを紐づけます。これにより、タスクカードからメンバーリストを呼び出し、担当者を簡単に選択・設定できるようになります。
「リレーション」はデータベースの「プロパティを編集」欄から「種類:リレーション」を選択し、「リレーション対象」に対象のデータベースを指定することで設定できます。

私の部署では各メンバーのマスターデータベースがあり、ページに現在・過去の担当案件を紐づけているので、リレーションによって関連づけたおかげで、各々の案件状況をボード上から確認することもできます。 また、逆に各々のメンバーページから、それぞれ紐づけられているデータベースや設定されているプロパティも確認することができるので、メンバーのタスク状況や休暇予定など複数のデータベースが存在する場合も、一括で管理できるので便利です。
このように「リレーション」機能は上の例のようなタスク管理画面だけでなく、さまざまな用途のデータベースで活用できる強力な機能になっています。 このコーナーを追加したことによって、誰がチェック担当者なのかが一目瞭然になり、また ボードビューを俯瞰することで、チェック業務が特定の人に偏っていないかを確認でき、スムーズな依頼に繋がっています。
まとめ
今回は、複数のNotion機能を組み合わせて作成した、私なりのタスク管理ページの活用事例をご紹介しました。このページを作成したことで、
- 今日やるべきことと、中長期的な案件の進捗を同時に把握できるようになった。
- 定型業務の抜け漏れがなくなり、タスク管理の手間が大幅に削減された。
- 過去の業務実績や部内メンバーへの依頼状況を簡単に振り返ることができ、報告や業務依頼がスムーズになった。
と、多くのメリットを実感しています。
このようなNotionは、単なるメモツールとしてだけでなく、このように個人の業務スタイルに合わせて柔軟にカスタマイズできる強力なワークスペースを作ることもできます。 これからもさらに業務効率化できるよう、さまざまな機能を組み合わせて試行錯誤していきたいと考えています。 今回ご紹介した事例が、皆様の業務効率化のヒントになれば幸いです!